【旅と手しごと】ポーランド・ヤノフ村へ:コウノトリと二重織の絵織物
※前回までのおはなしは こちら
織物初心者である私が、期待と不安に胸ふくらませてやってきたのが、ポーランド東北部の小さな村・ヤノフ村です。ワルシャワから5時間くらいのところなんですけど、大自然が広がるのどかな暮らしがありました。
素敵なおうち!絵本の世界みたいね。
ヤノフ村は、昔から織物で有名なのかしら?
18世紀から農家の女性たちの間で受け継がれてきた伝統あるもので、昔は嫁入り道具のひとつだったんですって。
織物が嫁入り道具って、ラトビアの手編みミトンを思い出すわね。
私が今回参加したのは、藤田泉さんの開催するワークショップツアー。ポーランド在住の藤田さんは、現地の伝統や文化を紹介するため、織り手さんの工房を見学したり織物を体験できるツアーを企画されています。
見るだけじゃなくて、おしゃべりしたり、実際に織ったりできるというのがいいわね。
素敵な手しごとにもたくさん出会えそうで、ワクワクするわ。
さて、今回ご紹介するのは、二重織の絵織物です。
二重織は、現地の暮らしや自然がモチーフになっていて、猫や羊、牛、コウノトリなどがよく描かれています。ポーランド語でコウノトリのことを「Bocian」というんですけど、私たちは「ボッチャン」と呼んでいました。屋根にとまっていたり、コウノトリ用の電柱みたいなのが立っていて、そこに巣を作っている親子がいたり、ポーランドではとても身近な存在なんですって。
野生のコウノトリって初めて見たわ。
他にも、見慣れないモチーフがたくさんあるわね。
養蜂が盛んなので、巣箱や、井戸から井戸水を汲む様子が描かれていたりしますね。
私たちがワークショップでお世話になったルチナさんのおうちにも井戸があって、とても美味しいお水をいただきました。
これは何かしら?
カゴを持って出かける女性ですね。
何か摘んできたのか、周りにひよこがたくさんいるから、卵を取ってきたのかもしれない。
ヤノフ村の人たちは、自然や動物と一緒に暮らしてきたのね。
庭にあるプラムの木をゆさゆさして、実を落として食べたり、畑で野菜を育てたり、ハンモックやブランコでゆっくり過ごしたり、穏やかで豊かな暮らしだなと思います。あとは、猫も、鳥も、犬も、羊もみんな一緒にいるんですよね。猫が鳥に噛みついたりしないのかなと思うんですけど、みんな仲良く一緒に暮らしてるの。
わたしもこんな暮らしがしてみたいわ。
かんじんの二重織は苦戦してたようだけど?
二重織は織図がないので、お手本を手元に置いて、見ながら織っていくんですけど、初心者の私には難しくて、何度もやり直し!!先生のルチナさんが「モドル~」って日本語を覚えるくらい。
織図がないと本当に大変なのね。
無事出来上がるのか、見ているこっちもハラハラしたわ。
うさビーに心配をかけながら、出来上がったのがこちら!
左がお手本で、右が私の作品です。
オリジナルな部分もあるけど、頑張って完成させたのね。
頑張った自分を褒めてあげたいです。
集中して織った後の、自然の中での食事はサイコーでした!
(次回へつづく)
旅する雑貨屋「Hin plus」
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