【旅と手しごと】モンゴル:刺繍マスターのアトリエとカザフ刺繍
※前回までのおはなしは こちら
大草原から車で1時間ほど走り、刺繍マスターのご自宅兼アトリエにやってきました。モスクがあったり、特徴的な模様が壁に描かれていたりと、街並みががらっと変わってビックリです。
ウランバートルとも違う雰囲気なのよね。
この違いは何かしら?
このあたりは、モンゴル西部からカザフスタンに広がるバヤンウルギー出身の方が多く住む地域なんですって。イスラム教を信仰している方が多いそうで、ゲルも私たちが泊まっていたのと違って、色とりどりで鮮やかな刺繍が特徴的でした。中に入って、その美しさにうっとり。
ゲルごと持ち帰りたいー!
刺繍マスターは、このゲルに住んでいるの?
普段は、ゲルの両脇にあるおうちに暮らしています。このゲルは、今まで作った作品を展示したり、刺繍を教えたりするアトリエなんですって。刺繍レッスンの前に、たくさんの手作りお菓子を出してくださいました。
やっぱり揚げパン的なものは欠かせないのね。
カリカリして美味しそう。
お腹も落ち着いたところで、さっそく刺繍レッスン。マスターが下絵を描いて、それをステッチしていきます。フリーハンドで下絵を描いていくんですけど、定規を布にあてて対角線で模様を作っていく際に、左右対称であることが絶対大事なんですって。日本でいうクロスステッチの変形、チェーンステッチなど3種類教えていただきました。
わたしもちくちく、お手伝い♪
楽しかったわ!
カザフ刺繍独特の手法も見せていただきました。大きな木枠にタコ糸のような太い糸で布を固定して、かぎ針で刺繍を施していきます。
正面じゃなくて、少し傾けて刺繍していくのね。
マスターのおばあちゃま、ズボンの裾も可愛い!
お昼をいただいた後は、カザフ刺繍の工房へ。職人さんたちが、ひたすらちくちくしています。壁に職人さんの写真がずらっと貼られているのに、数が少ないぞ・・・と思っていたら、大多数は地元のバヤンウルギーにいるんですって。
お互いに写真を見ることで、士気を高めているのかしら。
きっちり綺麗な仕上がりは、まさに職人技だったわ。
さて、今回ご紹介する手仕事は、もちろんこのカザフ刺繍です。まずは、ポーチ3種。大きい方のポーチは、内側にポケットがついています。
色とりどりで迷っちゃう。
内側の生地もしっかりしていて、高級感があるわね。
続いては、肩掛けバッグとお財布型の小物入れです。
鮮やかな赤に一目惚れ!
着こなしのアクセントにぴったりね。
そして、これからの季節に活躍しそうなオーナメント。サンタさんのブーツのような大作もありました。
縁取りの2色使いが素敵。
雪だるまのとぼけた表情に癒される~
色鮮やかなカザフ刺繍を満喫した私たちは、ウランバートルへ。大草原とも、カザフ刺繍の街とも違って、都会でした。ふかふかのベッドとあたたかいシャワーで疲れを癒し、ウランバートルの手仕事に会いにゆきます。
(次回へつづく)
旅する雑貨屋「Hin plus」
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