【旅茶日記】タイ暮らし、お茶時間③
タイの人口の約1割は中華系の方々です。そのため、タイにおいても中華圏から影響を受けた風習や文化を垣間見ることができます。身近なところで言えば、おかゆを意味する「ジョーク」というタイ語が、中国語の「粥(Zhou)」からきている、という具合です。今回は、その一部をご紹介したいと思います。
2019年の中秋節は、9月13日でした。9月に入ると、バンコクのあちこちで月餅を見かけるようになります。ホテルからスタバやハロッズ、町のベーカリー、はたまたタイスキレストランのチェーン店まで、オリジナルの月餅を売り出し、大きめのデパートでは特設売場が登場します。
デパートの特設売場。Mooncake Festivalって、なんだか素敵な響きですね。
プルンチットにある香港の老舗「美心」の店舗でも、もちろん月餅がお目見え。
こちらは、タイスキチェーンCOCAの月餅。
タイらしいカラフルな月餅もたくさん。
さて、タイの月餅のタイプは、私が見た限りではざっくり以下のように分けられると思います。
① 伝統的な月餅(塩卵入りや、やや重めの餡入り等)
② マンゴー味やドリアン味などタイらしさを取り入れたもの
③ コーヒーやチョコレート味等の現代風
わたしはせっかくなので、マンゴー味を買ってみました!少し酸味があって、甘すぎずとても美味しかったです。合わせたのは、台湾の阿里山烏龍茶です。
中秋節は、丸いお月さまを見ながら家族団らんを楽しむ日。肝心の満月は、残念ながら曇っていて見ることができませんでしたが、季節のイベントっていいですね。
中秋節が過ぎたら、年に一度の菜食週間『キンジェー』が始まります。キンは食べる、ジェーは中国語「齋(Zhai)」のタイ語読みで、菜食や精進料理を意味する様です。2019年は9月29日から10月7日の9日間。黄色に赤字で「齋」またはタイ文字で「ジェー」と書かれた旗やシールがお目見えします。
このキンジェーも元々は中華系タイ人の文化だそうです。主に中華系の方々が菜食をするそうですが、ヘルシー週間的な位置づけで参加してみるのもよいですね。
こちらは、2011年にバンコクの中華街(ヤワラート)を訪れた時の様子です。
スーパーで売っているバナナチップスにまで「ジェー』のシール。
たまたま立ち寄った近くのデパートにもキンジェー特設会場ができていました。
肉や魚を使わないお料理や、果物・野菜などが売られていました。私も、カレー素麺のようなものをランチにいただくことに。辛くないと言われたのに、辛い・・!!
辛いものを食べるとおなかを壊してしまう私には、ヘルシー週間とはなりませんでした。ぜひ、『辛くない週間』を作っていただきたいです(笑)。
コラム【世界のお茶】タイで試したい!多種多様なお茶文化 では、タイにおける中国のお茶文化の影響についても少し触れていますので、よろしければ併せてご覧ください。
田中友美
[ TEAスタイリスト ]
学生時代、北京留学をきっかけに中国茶に傾倒。大学卒業後、上海にて3年間勤務。世界の茶産地への旅をライフワークに中国茶をメインとしたイベントの開催や茶葉・茶器の販売などを行う。お茶を囲むことで生まれるご縁「茶縁」を大切に活動している。