【旅と手しごと】モンゴル・ウランバートル:フェルト工房のスリッパとナラントール・ザハ
※前回までのおはなしは こちら
朝イチで、ウランバートル市内にあるフェルト工房にやってきました。この工房はチベット仏教のお寺の中にあり、シングルマザーの自立支援を目的としています。ダライ・ラマ15世もいらっしゃったことのあるという大きなお寺で、お祈りに来る方もたくさんいるんですって。
独特な、五体投地というお祈りをするのよね。
五体投地のお祈り用スペースもお寺の中にありました。
敷き詰められた絨毯も素敵だった~
工房に着いたら、さっそく手仕事体験。ここでは主に、スリッパを作っています。まず、フェルトを洗い、染めるところから。化学染料だけでなく、天然染料を使って原毛を染めていきます。その後でカーダーという道具を使って、フェルトをなめらかにしていきます。
草原の毛刈りでも使っていたやつね。
そうそう、あれはハンドカーダーなんですけど、ここでは機械でもっと早くたくさんの羊毛をならせるドラムカーダを使っています。ドラムカーダーで整えた羊毛は、紡いで糸にしたり、そのまま羊毛刺繍にしたりフェルト化させてスリッパにしたりと多用途です。
準備が出来たら、さっそくちくちくするのかしら。
今回は、フェルトでちくちくと、フェルトのスリッパに貼り付けるモチーフの刺繍を体験しました。私が選んだ刺繍のモチーフは白い法螺貝。ブータンでも同じモチーフを見かけたことがあるんですけど、チベット仏教でも白い法螺貝は邪気を払うという意味があるそうで、絶対これにしようって思ってました。
Hinの作品は、何とも言えない味があるわね。
フェルトのちくちくは、お昼から戻ってきたら工房の優しいママさんがポシェットにしてくれてました。法螺貝に使ったチェーンステッチのほかにも、こんなステッチがあるよと教えてくれたり、皆さん本当に親切な方ばかり。子供を預かる託児所もあって、ママの仕事を見ながら子供たちが思い思いにちくちくしたり遊んだりも出来る素晴らしい場所なんです。
出来上がったフェルト製品は、国内で売られているの?
スリッパの他にもいくつか商品があって、ドイツに輸出されるんですって。輸出先は決まっていて、安定して売れているそうです。
支援するだけじゃなくて、安定して売れるクオリティーを維持できるところが素晴らしいわ。
フェルト工房のママさんたちにお礼を言って、モンゴルで最大と言われているナラントール・ザハへ。とにかく巨大で、なんでもあるという市場です。
「ザハ」は市場のことね。
現地の人が、普段使いのものを買いに来るのよね。
市場でよく遭遇する強引な声がけもなく、お店のお兄さんたちはトランプで遊んでたりして、のんびりストレスなく見学できました。ゲルの骨組みっぽいのも売ってて楽しいです。
ゲルって市場で買えるのね。
さて、今回はまとめてご紹介しますよー。まずは、先ほどのフェルト工房のフェルトスリッパです。しっかり、みっちり作られていてこれからの季節にぴったりですね。
モンゴルっていうより北欧っぽいかも?
ビタミンカラーが楽しいわ。
続いては、市場で出会ったものたち。こちらは、インパクトがすごいアームカバー。袖からチラ見せしても良いし、くしゅくしゅっとして手首につけても可愛いです。
使い方次第で、模様が変わって見えるのが良いわね。
最後は、セーターにもカーディガンにもなるニットと、寒い季節に欠かせないカシミヤのソックスとアームカバー。
もふもふー!とっても気持ち良さそう。
本格的な民族衣装や絨毯、ゲルの内側やインテリアもとっても素敵だったけど、ぐっとこらえて次回に・・・
今回は、初めてのモンゴル旅でドキドキもありましたが、初日に見た満点の星空や草原の爽やかな風、現地の方のあたたかさと、長岡さんのサポートのおかげで、素敵な手仕事との出会いにも恵まれ、とっても充実した時間を過ごすことができました。
わたしもモンゴル、大好きになったわ!
次回は、ポーランドの手仕事に出会う旅・冬編。
どうぞ、お楽しみに!
(次回へつづく)
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