【世界のお茶】スペイン・ポルトガルの旅とお茶:絶品カタプラーナと魂のファド
2日目は、テージョ川をはさんで対岸にある港町カシーリャスへ。フェリーでたった10分ほどのシーフードが美味しいと評判の町です。リスボン中心地でももちろん美味しいシーフードは食べられますが、ちょっとしたフェリー旅に心惹かれて。
ホテルからフェリー乗り場まで歩いていきました。朝からおじさんが釣りをしていて、ほっこり。
10分の船旅です。
そして、カシーリャスに到着。こちらはカシーリャスから見たリスボン市街地。
カシーリャスは、カラフルで可愛い港町でした。朝だったせいか、まだお店が閉まっています。ごはんにありつけるのかな・・と少々不安に。
1軒だけ開いていたお店で、お目当ての海鮮鍋(カタプラーナ)をいただくことができました。4人前はあろうかというボリュームで、ドン!と出てきました。トマトベースにエビやタラ等の海鮮の旨味たっぷりのお鍋。付け合わせのパンもガーリックバターもとっても美味しくて、ここまで来てよかった~~!と感激しました。
お店のご主人と娘さん。はにかんだ笑顔が素敵です。
滞在約1時間半のカシーリャスに別れを告げて、フェリーで戻り、地下鉄に乗ってデパートへ行くことに。レトロなイメージのリスボンですが、モダンな地下鉄に驚きました。
デパートでは、恒例のお茶売り場チェックです~。やはり、リプトン等のティーバッグが主流。その他に特徴的だったのは、ハーブティーコーナーがとても充実しているのと、南米のマテ茶が袋売りしていました。南米との繋がりをここでも感じます。
TWININGSなどの主流なブランドから
日本でもおなじみのイギリスCLIPPERやpukkaも。
こちらは煎茶とグリーンルイボスという珍しいブレンド。「TE」と書いてあることから、スペインから入ってきているものと思われます。
そして、ミントティー、タヒボティー、ルイボスティーなどもたくさん。
マテ茶の袋売り。とても心惹かれましたが・・ちょっと重たいので購入は断念。
街へ出て、カフェで休憩です。焼き菓子の隣には、やはりお酒。
美味しそうですが、カタプラーナを食べすぎて、今回は入りません・・。胃袋が足りない。
さて、午後はリスボンの7つの丘のうち、一番古い町並みが残っているアルファマ地区へ向かいます。目指すは丘の上のサン・ジョルジェ城ですが、トラムでも徒歩でも行くことができます。せっかくなので、行きはトラムに乗りました。
リスボンは丘の街だけあって、展望台もたくさん。途中多くの人が降りていたサンタルジア展望台で、私たちも下車。展望台からは、アルファマ地区の街並みが見渡せます。1755年に起きた大地震でリスボンが壊滅的な被害を受けましたが、このアルファマ地区は被害を免れたため、古い建物が現在でも残されているのだそうです。
サン・ジョルジェ城からの景色も絶景でした。
帰りは下り道なので、歩いて坂を降りました。狭い路地をトラムが通り抜ける光景は少し危ないですが、楽しいものです。
この坂道。住んでいる人は、いい運動になりそうですね!壁を彩るタイルが美しい。
途中、アズレージョを売るお店にも立ち寄りました。1枚からばら売りされています。何枚でも欲しい!!(でも重い・・)
ティーポットみっけ。
街の中心部、バイシャ地区まで降りてきたら、今度はアルファマ地区とは反対側のサン ペドロ ド アルカンタラ展望台へ向かいました。この展望台は、某消臭剤のCMで男の子が歌を歌っていた広場です。ここからも、リスボンの街並みとサンジョルジュ城が一望できました。
まだまだリスボンを散策したかったのですが、一度ホテルへ戻って、この日は予約していたファドレストランへ向かいます。ファドはポルトガルの伝統歌謡で、「運命」または「宿命」という意味があり、人生の歓びや哀しみ、哀愁の想いを奏でるポルトガル人の心の歌だそうです。リスボンにはたくさんのファドレストランやバーがあり、プロが歌うこともあれば一般の人が歌う場所も多いそうで、週末には夜遅くまでにぎわいます。
初めてのファド。歌声も、歌い方も、独特の哀愁があるそのリズムも、すべてが素晴らしい世界観を作り上げていて、その場にいられたことに本当に感動しました。
スペインで見たフラメンコ、ポルトガルで聞いたファド。その場所で生まれ育まれてきた歌や踊りと言った文化には、魂をゆさぶる何かがあることを感じずにはいられませんでした。
駆け足だったスペイン・ポルトガルの旅。どちらも、もっともっと深く知りたい国になりました。次に訪れることができる日を、楽しみにしています。
最後に、スペインとポルトガルから持ち帰った茶葉と、サン・ジョルジェ城のショップで購入したデミタスカップ。次なる旅に、思いを馳せて。
おわり
田中友美
[ TEAスタイリスト ]
学生時代、北京留学をきっかけに中国茶に傾倒。大学卒業後、上海にて3年間勤務。世界の茶産地への旅をライフワークに中国茶をメインとしたイベントの開催や茶葉・茶器の販売などを行う。お茶を囲むことで生まれるご縁「茶縁」を大切に活動している。