【旅と手しごと】エストニア・バルト海に浮かぶ生きた博物館:キフヌ島の赤いスカート

【旅と手しごと】エストニア・バルト海に浮かぶ生きた博物館:キフヌ島の赤いスカート

西荻窪で雑貨屋を営むHin。エストニア・タリンのとあるアンティークショップで出会った、バルト三国旅の相棒・うさビーとともに、エストニアの港町・パルヌを満喫すると、「バルト海に浮かぶ生きた博物館」といわれるキフヌ島へ向かうのでした。
※前回までのおはなしは こちら
Hin

キフヌ島は、バルト三国旅にかかせない大好きな場所。パルヌからバスで1時間のムナライドという港から、フェリーでさらに1時間くらいです。

うさビー

エストニアの地元の人からも「バルト海に浮かぶ生きた博物館」と呼ばれるくらい、伝統と文化をすごく大切にしている島なのよね。

Hin

この島で出会ったのは、「クルト」と呼ばれる民族衣装の赤い縞模様のスカートです。

うさビー

この縞模様の色には、意味があるの?

Hin

若い人は鮮やかな赤がメインのもの、年を重ねた方だと、人生の深みも増して、悲しみとか苦しみを表す寒色系の色が入ったもの、あとは、縞の中に黒が多かったりすると喪服とか、年代や用途に合わせての意味はあるそうです。もちろん、おばあちゃんでも鮮やかなものをはいていたりして、それも可愛らしいです。

うさビー

トップスはどんなものを着ているの?やっぱり民族衣装なのかしら?

Hin

トップスは、島のブラウス、それにチーフを頭に巻くのが一番伝統的なスタイルです。最近はTシャツを着たりとか、ブラウスにジーンズを合わせたりとか、様々なんですけど、どこかに民族衣装を取り入れている感じ。完全に普通の服という方はあまり見かけなかったですね。

うさビー

素敵!いろんなコーディネートを楽しめそうね。

Hin

民族衣装を普段に可愛く着こなせるのは素敵ですよね。島のスカートとブラウス、どちらも連れて帰ってきたけど、今回紹介するのは、こちらのちびスカートとポシェットです。

うさビー

あら、そのスカートわたしにぴったりのサイズ。Hinには少し小さすぎるわね。

Hin

そうね、残念ながら。これは、マグネットになっています。スカートやブラウスを作ったときにあまった布で、模様を活かしたちびスカートやポシェットを作るそうです。

うさビー

島の人たちは、本当にモノを大切にしているのね。

Hin

ポシェットは、ポケットがわりにも使われています。元々スカートにポケットがなくて、その代わりにわきにスリットがあるんですけど、スカートの下にこのポシェットを巻いて、大事なものを中に入れておくと、スカートを脱いでも大事なものは残っているという便利グッズです。

(出典:NOPPEID KIHNU NÄPUTÖÖST)

うさビー

スカートを脱いだ状態で、大事なものが必要な場面がちょっと思いつかないけど・・・ポシェット以外にも、ウエストポーチとして使うのも良さそうね。

Hin

スカートの中に入れる袋というだけで、規格はなく、各家庭で自由に作っているところが良いですよね。ファスナーがついていたり、マジックテープになっていたり、サイズや素材もまちまち。ヒモはテープだったり、編んだものもあったり。小さい頃からおばあちゃんに習って編むので、大きくなったら何も見ずに編めるようになるそうです。

(出典:NOPPEID KIHNU NÄPUTÖÖST)

うさビー

庭にある木でも編めちゃうのね。すごいわ。

Hin

伝統が代々受け継がれていることもですが、暮らしのなかに本当に自然に溶け込んでいるところが素晴らしいですよね。

(次回へつづく)

 

[ 取材協力 ]

旅する雑貨屋「Hin plus」
〒167-0042
東京都杉並区西荻北 3-3-12
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