【旅と本】茶人と巡る台湾の旅

【旅と本】茶人と巡る台湾の旅

ひとつの物事に夢中になると、その世界はどんどん深く、内面に入り込んでゆくのに対して、そこから生まれる人との出会いは、どんどん広く、外に向かって広がっていくのが不思議です。

「茶人と巡る台湾の旅」は、写真家であり、茶人である著者が、親交の深い台湾の茶人たちに話を聞きながら、彼らのお気に入りの場所を巡る旅の記録。「茶人の愛する風景・場所」「茶人の愛する食」「茶人の愛する茶」が紹介されており、一般的な旅案内とは違って、お茶に寄り添う台湾「茶人」の暮らしが見えてきます。

「茶人」にまつわるエトセトラ

「茶人」と言われてもあまりぴんと来ませんでしたが、著者の「茶人」仲間のバラエティー豊かなこと。茶商、茶館を営む人、茶農家、製茶の技術を持ち、各地をまわり製茶するという茶作家、茶器作家、お茶を愉しむ時に着るのにふさわしい「茶服」を手掛けるデザイナー、茶文化普及家、などなど、お茶に関わる仕事をしている人がたくさんいることに驚きました。

そして、その茶人たちに共通しているのが、お茶のある風景に美しさを見出し、その風景の中で紡ぐ日常を楽しんでいること。私の知り合いの「茶人」が以前、「お茶を飲んでいると、気持ちが落ち着いて心がクリアになっていく」と言っていましたが、あながち間違いではないのかもしれません。

テーマを持った旅に出かけるということ

美味しいお茶を求めて、台湾を訪れるようになったという著者は、そこで出会った茶人を通じて、他の茶人とのつながりを広げてゆきました。目的を持たずにふらりと旅に出るもの楽しいけれど、テーマを持って旅に出ると、いつもより少しだけ研ぎ澄まされた感覚が、素敵な出会いや発見を用意していてくれる気がします。

「好きなものから広がるこだわり旅」、いつかしてみたいです。




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