【旅と本】旅のおみやげ図鑑

【旅と本】旅のおみやげ図鑑

旅の楽しみは準備から始まり、おみやげで終わる。そういっても過言ではないくらい、知らない土地に思いを馳せる時間や、渡す相手(時に自分)を思い浮かべながらおみやげを探す時間が好きです。もちろん、肝心なのは旅の中身なのですが、おみやげから想像される旅の記憶は、写真を見るより鮮やかに、身近に感じられる気がするのです。

「旅のおみやげ図鑑」は、旅好きの作者が、世界中を旅行して見つけたおみやげを、旅のエピソードと一緒に紹介するイラストエッセイ。フルカラーで、おみやげ屋さんの場所も案内してくれているのが嬉しいです。何より、あらゆるジャンルに興味を持つ作者のチョイスが、その土地の新しい魅力に気付かせてくれます。

おみやげにはジャンルがある

なるほどと思ったのは、おみやげをエリアではなくジャンルで分けて紹介していること。選ばれるモチーフや素材で、その土地の個性が際立って見えてきます。服やアクセサリーのファッションや文房具、お守り、キッチン用品、絵本などは定番ですが、ラベルや包装紙などのパッケージは奥が深い。自分もヨーグルトや牛乳の空き瓶を集めていたことがあったっけ。

おみやげには流行りがある

デパートより流行に敏感なのは、おみやげ市場かもしれない。そう気づいたのは、作者と同じアジアのおみやげ市場でした。そして、時がとまったような古い商店も同じ場所に存在する不思議。おみやげを探すことで、その土地の躍動感のようなものを、自然と肌で感じられる気がします。作者がベトナムで見つけた「コキュ」風サンダルは流行から遅れて商品が入れ替わり、上海の街角で見つけた練習帳は時代から遅れてお店が閉店し、今はもうないかもしれない。その「今しかない」感じが、旅の気分と相まって経済効果をもたらすのでしょうね。

おみやげは個性と理性のせめぎ合いである

作者が見つけてくるお土産は、可愛いものもたくさん、へんてこなものもたくさん。でもそこには、見つけ出した喜びとか、一目惚れ的なトキメキとか、どっちにしようか迷うワクワク感とかが、ぎゅっと詰まっていて、もらった方も嬉しいだろうなあと思うものばかり。個性的なおみやげをくれる人って、もらう側になるときもピンポイントで嬉しいものがもらえる確率が高い気がします。

同じ場所を旅しても、旅の記憶や、人に話すエピソードは人それぞれ違うもの。
おみやげもまたしかりで、もらうのはもちろん嬉しく、選んだ人の個性がふと見えて楽しくなります。いろんな人がそれぞれの旅をする、旅にも個性があるから、その土地のストーリーも、何度聞いても新鮮なのかもしれません。




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