【世界のお茶】中国・お茶をめぐる旅:中国雲南省2~少数民族訪問
翌日は、シーサンパンナの主要な観光となっている少数民族の村を3つほど訪れました。
まずはジノ族の村です。
ジノ族は、1979年に中国政府に少数民族として登録されたそうです。人口1.8万人ほどでジノ(基諾)山周辺に暮らしており、その生活の一部を公開しています。
村の中ではガイドが連れ添い、ジノ族の暮らしや食事、民族衣装などの説明をしてくれたり、生産しているプーアル茶を飲ませてくれたりします。手作りの新鮮なプーアル茶、とてもおいしかったです。パッケージも可愛い!ダンスショー等も見ることができました。
私たちのガイドをしてくれた若い女の子も、民族衣装を着ていましたが、普段は洋服を着て携帯を持つ普通の生活をしているようです。お年寄りは中国語がわからないそうですが、若者は学校で勉強するので中国語が話せるとのことでした。
次に訪れたのは、クム人が生活しているジャングルツアーが体験できるところです。クム人は、人数が数千人しかいないため、中国政府から「少数民族」として認定されていません。お隣のラオスでは国を形成する3大民族のひとつとしてメジャーに認識されていることを考えると、不思議ですね。中国ではこのように、まだまだ認定されていない民族がたくさんあるのだそうです。
クム人の村は本当にジャングルで、彼らは中国語も話せないため、漢民族とタイ族のハーフである男の子がガイドをしてくれました。クム人は背が低いのが特徴で、友愛の印としてお尻や腕を触る習慣があるらしく、写真も密着です。
最後に訪れたのは、シーサンパンナ最大の民族、タイ族の村。そもそもシーサンパンナの由来もタイ族の言葉なのだそうです。
建築様式や衣装など、タイで見るものとほぼ同じように感じました。タイ族は人数も多く町で生活しているため、ジノ族やクム人と違って、特殊なことはあまりない様子。民族ダンスショーと、タイ族の伝統である水かけ祭りを毎日開催しており、参加したい人は参加できます。
どこの村も入場料が約2000円~3000円/名ほどすることを考えると、雲南省の物価からしてかなりの高額ですが、彼らにとってはこうして少数民族を売りにすることが重要な財源なのだと思います。
ホテルに戻ってから、町中心部に散歩&食事に出かけました。近くで夜市があったり、プーアル茶の老舗がたくさんあったりして、なかなか楽しいです。
そしてこの日、これまで遭遇しなかった外国人観光客を見かけました。メコンカフェというお店です。
ここが外国人バックパッカーたちの情報収集地になっているようで、お店では各方面へのバスや船のチケット手配をしてくれるようです。
ちなみに私たちは、この日、朝たまたま乗ったタクシーをそのまま一日チャーターしました。ドライバーの言い値で300元(3600円ほど)を支払いましたが、交渉すれば200元でいけそうです。更にジノ族の村で知り合った中国人観光客のおばちゃんは100元に値切ったと言っていました。さすがです!
(つづく)
田中友美
[ TEAスタイリスト ]
学生時代、北京留学をきっかけに中国茶に傾倒。大学卒業後、上海にて3年間勤務。世界の茶産地への旅をライフワークに中国茶をメインとしたイベントの開催や茶葉・茶器の販売などを行う。お茶を囲むことで生まれるご縁「茶縁」を大切に活動している。